美術品、絵画の相場は、景気の変動や時代の流行などに左右されていくケースが多くみられます。
一般作家の作品が美術ファンの心を動かし、評価してもらうには、
個性的で独創的な独自の画風をアピールしていかなければならず、
そこから購入まで辿り着くのは、ごく一部の作家にすぎません。
これは大変なことです。
他のケースとしては、テレビ、新聞、展覧会などでマスコミに取り上げられた事で、
作品を知ってもらい覚えてもらうケースです。
認知度があがり、人気が出てくると相場の値上がりにつながる事は珍しくありません。
画商である私共は、画商間のやり取りや作家の発表価格で絵画の相場が
決まってくるため、オークションや交換会、デパート価格にアンテナを巡らしています。
相場は日々、変動していくわけですが、最近、「おやっ?」と思う出来事がありました。
日本の富士山が世界遺産に決まると騒がれていた頃から、
物故作家の相場は、だいたい安定をしているのですが、
一部の特徴をもった作家が明らかに変化を起こしていることです。
それは富士山を得意としている作家であったり、
風景画の中に富士山が描かれている図柄であったり、
の相場が少しずつ値を上げているということです。
これは、今のブームといえるかもしれませんね。
富士山は世界で認めてもらっただけではなく、絵画の世界でも注目を集めているようです。
このブームがいつまで続くのか、興味深く注意して見つめていきたいと思っております。
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