三越日本橋本店で開催されている
画業40年 千住博展 ~荘厳と格調・21世紀の日本画~
に行ってきました。
1990年からニューヨークを拠点に、
国際的な活躍を続ける日本画家、千住博氏。
世界の美術界において日本画で評価を得るのは難しいとされてきたなか
1995年ヴェネチア・ビエンナーレ絵画部門で東洋人として初めて名誉賞を受賞しました。
また、千住氏は岩絵の具という素材や、自然と密接に関わっている日本画の
「理念」と「美」を追求し続け、
自然の中の美から受ける感動を、世界の人々と共有することを目指しているとのことです。
本展では画業40年を記念して本邦初公開となる
前長30メートルに及ぶ「四季屏風・春・夏・秋・冬」が公開さられていました。
撮影することは出来ませんでしたのでこれは図録からです。
「四季屏風・春」 圧巻の桜でした!
桜を描いた絵画はたくさんありますがこんな存在感とパワーのある桜は初めてだと思いました。
これは樹齢千年の福島県三春町の滝桜を描いた作品だそうです。
夜の滝桜は植物という範疇を超えうごめく神秘の生命体だったそうです。
その静かなる超越間を何としても描きたかったと千住氏は語っています。
これは「四季屏風・秋」の部分です。
緑の樹々はそれまでは考えられなかった色彩豊かな世界に変わり
錦色のこの世とは思えない空間へと激変する。しかしそれもつかの間、
あっという間に散ってしまう。
この去りゆく切なさが秋の内実だと思った。(図録より)
燃えるような紅葉の美しさのこの瞬間だからこその美しさが伝わる
心に染みる作品でした。
四季屏風それぞれがおそらく高さ2メートル位、
幅7~8メートルの大作です。
日本画だからとか岩絵の具だからとかいうジャンルを超越した
私たちが住む地球の美しさをしみじみ感じさせてもらえる作品でした。
by Utada
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